この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
没落お嬢さま
第44章 第四十三夜
第四十三夜
翌日のいずみは、特に変わった様子もなく、亮生の部屋には夜食を持っていったのである。
気のせいか、妙に、お尻をモジモジさせているようには見えたのだが。
部屋では、亮生も、いずみが来るのを、じっと待ち構えていた。
いずみが部屋のドアをノックし、中へと入ってくると、彼はニンマリと微笑んだのだ。
「ご苦労さま。指示したものは、きちんと持ってきただろうね」
と、亮生は言った。
「はい。抜かりはありません」
いずみも、笑みを浮かべて、答えたのだった。
亮生も、やたらとワクワクしている感じなのである。
いずみは、盆にのせた夜食を亮生の机の上に置くと、夜食にかぶせていた布をサアッと引っ張った。
そこからは、いつもの夜食のセット以外に、蜂蜜が入ったガラス瓶も現れたのである。
しかし、その蜂蜜のガラス瓶は、夜食の菓子にかけるにしても、やけに量が多かったのだ。
その瓶は、ティッシュ箱ぐらいの大きさはあって、蜂蜜もびっしりと詰まっていたのである。