この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
没落お嬢さま
第45章 第四十四夜
第四十四夜
亮生といずみの関係は、まさに蜜月の間柄のようにも思われた。
しかし、必ずしも、そうではない時だってあったのである。
その日も、いずみは、普段どおりに、亮生の部屋に夜食を持っていったつもりだった。
昨夜も、彼とはたっぷり二人だけで遊んだ訳だし、何も気になる点はなかったのである。
それなのに、いざ亮生の部屋に入ってみると、中にいた亮生はひどく機嫌が悪そうなのだった。
「どうか、なさいましたか?」
と、いずみは、恐る恐る、亮生に尋ねてみた。
「何を、しゃあしゃあと!気付いてないのかよ!
どうもこうもないよ。君って女は、なんて尻軽なんだ!」
亮生は、いきなり、吐き捨てるように怒ったのだった。