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没落お嬢さま
第46章 第四十五夜
いずみはショックが強すぎて、声が出せなくなっていた。
嫌がっている事を伝える意思表明の動作も、うまく出来そうにないのであった。
お嬢さま育ちのいずみでは、こんな状況に対する護身の知識も、まるで持ち合わせていなかったのだ。
こうして彼女は、痴漢にとって格好の餌食となってしまったのだった。
しかし、いずみだって、いつまでも被害に遭ってはいない。
彼女は、かろうじての抵抗として、電車が次の駅に止まると、無理やりでも何とか足を動かして、さっさと電車の外へ飛び出したのだった。
帰宅場所である屋敷の近くの駅は、まだ何駅も先だったにも関わらずだ。
とにかく、まずは痴漢から逃げ出す事が先だったのである。
ところが、いざ電車から降りると、いずみは、再び電車に乗り直すのが、ひどく怖くなってきた。
痴漢に出くわしたショックは、それほど大きいものだったのだ。
そこで、彼女は駅の外へ出ると、決心して、屋敷の方むけて、一人で歩き出したのである。
これは、かなり大胆な冒険だったとも言えた。
野外はだいぶ暗くなってきていたし、いずみの降りた駅の周辺は、けっこう閑散としていたからだ。
実際に、いずみ以外に、寂しい路地を歩いている人間は、見当たらなかったのである。
いや、いずみは、すぐに、自分の後ろから二人組の男がついて来ているのに気が付いたのだ。
何やら、怪しい感じのする青年たちなのである。
いずみは嫌な予感がして、一気にゾッとしたのだった。
嫌がっている事を伝える意思表明の動作も、うまく出来そうにないのであった。
お嬢さま育ちのいずみでは、こんな状況に対する護身の知識も、まるで持ち合わせていなかったのだ。
こうして彼女は、痴漢にとって格好の餌食となってしまったのだった。
しかし、いずみだって、いつまでも被害に遭ってはいない。
彼女は、かろうじての抵抗として、電車が次の駅に止まると、無理やりでも何とか足を動かして、さっさと電車の外へ飛び出したのだった。
帰宅場所である屋敷の近くの駅は、まだ何駅も先だったにも関わらずだ。
とにかく、まずは痴漢から逃げ出す事が先だったのである。
ところが、いざ電車から降りると、いずみは、再び電車に乗り直すのが、ひどく怖くなってきた。
痴漢に出くわしたショックは、それほど大きいものだったのだ。
そこで、彼女は駅の外へ出ると、決心して、屋敷の方むけて、一人で歩き出したのである。
これは、かなり大胆な冒険だったとも言えた。
野外はだいぶ暗くなってきていたし、いずみの降りた駅の周辺は、けっこう閑散としていたからだ。
実際に、いずみ以外に、寂しい路地を歩いている人間は、見当たらなかったのである。
いや、いずみは、すぐに、自分の後ろから二人組の男がついて来ているのに気が付いたのだ。
何やら、怪しい感じのする青年たちなのである。
いずみは嫌な予感がして、一気にゾッとしたのだった。