この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
没落お嬢さま
第46章 第四十五夜
いずみはショックが強すぎて、声が出せなくなっていた。
嫌がっている事を伝える意思表明の動作も、うまく出来そうにないのであった。
お嬢さま育ちのいずみでは、こんな状況に対する護身の知識も、まるで持ち合わせていなかったのだ。

こうして彼女は、痴漢にとって格好の餌食となってしまったのだった。

しかし、いずみだって、いつまでも被害に遭ってはいない。
彼女は、かろうじての抵抗として、電車が次の駅に止まると、無理やりでも何とか足を動かして、さっさと電車の外へ飛び出したのだった。
帰宅場所である屋敷の近くの駅は、まだ何駅も先だったにも関わらずだ。

とにかく、まずは痴漢から逃げ出す事が先だったのである。

ところが、いざ電車から降りると、いずみは、再び電車に乗り直すのが、ひどく怖くなってきた。
痴漢に出くわしたショックは、それほど大きいものだったのだ。

そこで、彼女は駅の外へ出ると、決心して、屋敷の方むけて、一人で歩き出したのである。

これは、かなり大胆な冒険だったとも言えた。
野外はだいぶ暗くなってきていたし、いずみの降りた駅の周辺は、けっこう閑散としていたからだ。
実際に、いずみ以外に、寂しい路地を歩いている人間は、見当たらなかったのである。

いや、いずみは、すぐに、自分の後ろから二人組の男がついて来ているのに気が付いたのだ。
何やら、怪しい感じのする青年たちなのである。

いずみは嫌な予感がして、一気にゾッとしたのだった。
/215ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ