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没落お嬢さま
第47章 第四十六夜
いずみは、やはり、淡白な表情で、亮生の事を見つめ続けていた。
次の瞬間、彼女の方も、亮生へと、ゆっくりと抱きついていったのだった。

「私こそ、ご主人さまとは、とってもお会いしとうございました。
昨日は会いに来る事ができないで、本当に申し訳ございませんでした。
私こそ、昨日、来られなかった事は、大変に後悔しているのです。
私はご主人さまの物です。これからも、一生、ご主人さまの元にいます。
どうか、これからも、よろしくお願いいいたしますね。
ご主人さまのそばに置いていただけるだけで、私は幸福なのです」

いずみは、たいへん忠義な言葉を、亮生へと返したのだった。

「本当かい。ありがとう。いずみくん。
僕もとっても幸せだよ」

亮生も、安心したように告げた。

こうして二人は、ひどく感動した気分となって、もっと強く抱き合ったのだった。

ところが、すぐさま、亮生は、いずみの異変にと気が付いた。
彼は驚いて、いずみのそばから素早く離れたのである。
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