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没落お嬢さま
第47章 第四十六夜
「君!お酒を飲んでるね?」

困惑した表情で、亮生はいずみに尋ねた。

「はい」

と、悪びれる事もなく、いずみは答えた。
確かに、彼女の口からはアルコールの匂いが漂ってきたし、その顔もほんのりと赤かったのだ。

「僕たちは、まだ未成年だよ」

亮生が、しっかりとたしなめた。

「ええ、分かってます。でも、気持ちよくなれますわよ」

そう答えるいずみは、何だか陽気な感じになってきたのである。
多分、じょじょに酔いが回ってきたのであろう。

「ダメだよ。社会のルールを破ったら」

「しかし、本当に幸せな気持ちになれるのです。
とっても楽しいですわ。
ご主人さまも、どうぞ試してごらんなさいませ」

「ぼ、僕はお酒なんて絶対に飲まないよ!」

亮生は、頑なに拒否したのだった。
だが、いずみは、熱っぽい目線で、じっと亮生を見つめているのである。

「ねえ、飲みましょうよ。
きっと、今までと違う、素敵な気分でセックスができると思いますわ」

いずみが、熱心にそう告げたものだから、亮生もゴクリと唾を飲んだのだった。
言われてみると、酔った状態で行なう性行為は、感覚も変わって、未知の高揚感を味わえそうなのである。
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