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没落お嬢さま
第52章 エピローグ
いずみは、亮生の子を産み、彼の跡継ぎを残す事で、強引に亮生の妻の座にと収まり、上流社会に復帰する事を企んでいたのだろう、と皆は考えた。

彼女が、本当に亮生の子を孕んでいたのかどうかは、結局のところは、はっきりとは分かっていない。
もしかすると、彼女の思い違いか虚言だった可能性もあるだろう。

仮に、彼女が実際に子供を産んで、いつの日か、亮生に認知を迫ってくるような事があったとしても、亮生の家族の方では、退けるだけの用意は十分にできていた。
カネと権力にモノを言わせて、相手の主張など、いくらでもねじ伏せる事ができたし、それだけではなく、いずみの事だって、亮生への暴行罪で訴えて、やり込めてやる事ができたのだ。

もっとも、いずみはもう現れる事はなかったので、そんな事を心配し続ける必要もなかったのである。
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