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没落お嬢さま
第9章 第八夜
第八夜
つまりは、亮生は、今までオナニーをした事がなかったのである。
自慰行為が出てくる書物とかを手にする機会もなかったし、そのような俗っぽい話題を教えてくれる悪友もいなかった。
亮生は、まさに、上流社会の御曹司として、全く穢れのない環境で育てられていたのである。
それだけに、初めての射精は、よほどのライフショックだったのであろう。
彼は、次の日の晩も、いずみへと、自分の男根を撫でてくれるようにと懇願したのだった。
「でも、また部屋を汚してしまうかもしれませんよ」
と、いずみは、遠回しに乗る気じゃない意思を示した。
確かに、彼女の言う通りだったのである。
昨日、射精した事で、亮生は、部屋の中に自分の精液を撒き散らしてしまった。
いずみの失禁よりも、はるかに広範囲に絨毯を汚してしまったのだ。
この時の亮生は、射精のショックが強すぎて、思考が停止してしまっていた。
だから、残りの始末は、全て、いずみが行なってくれたのである。
いずみは、亮生の恥ずかしい体液を、彼に代わって、丁寧に絨毯から拭いとってくれたのだ。
全く、いずみにしか、やってもらえない雑用なのである。
こうして、汚れた床の掃除は済んだのだが、精液がこびりついた跡は、ただの水分以上に落ちづらく、絨毯のあちこちに黒ずみが残ってしまったのだった。
しかし、何もかも亮生が原因なのだし、彼には、いっさいの文句が言えなかったのである。
この事を指摘されると、さすがに、亮生も、とてもやましい気持ちになってしまったようだった。
他方で、彼のまた射精してみたいと言う欲求もおさまりそうにはなかったのだ。