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没落お嬢さま
第10章 第九夜
調子に乗ってきた亮生は、そうやってキスをしたままで、右手で、いずみの胸もとも、まさぐり始めた。
メイド服越しに、いずみの胸の膨らみの感触を確かめさせてもらっているのだ。

こんな事をされても、やはり、いずみは逆らわなかった。
ただひたすら、亮生がやめてくれる事だけを待ち続けていたのである。

もっとも、亮生はなかなか終わろうとはしなかった。

さいわい、彼はいずみの下半身を責めるようなマネだけはしなかったのである。
それは多分、彼も、いずみがまだ生理中である事を認めていた証拠だった。

かくして、かなりの長い時間、いずみの体を弄んだ末に、亮生は、ようやく彼女の事を解放したのである。

「今日は、もう帰ってもいいよ」

と、亮生は静かに告げた。

「あ、ありがとうございます」

暗く沈み込んだ表情のいずみが、亮生にペコリと頭を下げた。

どうも、亮生は、昨日の件はすっとぼける事にしたみたいなのである。
その上で、いずみの忠誠を推し量っているようなのだった。

いずみの側にしてみれば、もはや、彼の出方を伺うしかないのである。

この日は、これで彼女は部屋から帰った。
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