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没落お嬢さま
第12章 第十一夜
「触っていいよ」
と、亮生が許可を出した。
「ほんとですか!」
いずみは、嬉しそうに手を伸ばした。
そして、小箱の中のサファイアの指輪を取り出すと、大切に指で摘んでみたのである。
それは、キラキラと輝く、本当に美しい宝石だった。
かつてはお嬢さまだったいずみには、その希少さが十分に分かるのである。
だが、彼女は、間もなく、ある事にも気付いたのだった。
その指輪のリングの部分には、ちょっとした細工が施されていたのだ。
リングには、さらに異なる金属の部品が接続されていたのである。
リングに、もう一つ、小さめのリングを取り付けたような感じなのだ。
しかも、その小さなリングの方は、明らかに、指輪用のリングではなかった。
少し独特な形をしているのである。
ひと月ほど前までは、自身もオシャレな上流社会の住民だったいずみには、その第二のリングが何なのかは、すぐに、うっすらと見当がついたのだった。
同時に、亮生の方から、カチカチと言う金属音が聞こえてきた。
いつの間にか、亮生は、穴あけ用のパンチを手に握っていたのである。
それを動かして、楽しそうに音を鳴らしていたのだ。
いずみの表情が、いっぺんに怯えたものに変わったのだった。
と、亮生が許可を出した。
「ほんとですか!」
いずみは、嬉しそうに手を伸ばした。
そして、小箱の中のサファイアの指輪を取り出すと、大切に指で摘んでみたのである。
それは、キラキラと輝く、本当に美しい宝石だった。
かつてはお嬢さまだったいずみには、その希少さが十分に分かるのである。
だが、彼女は、間もなく、ある事にも気付いたのだった。
その指輪のリングの部分には、ちょっとした細工が施されていたのだ。
リングには、さらに異なる金属の部品が接続されていたのである。
リングに、もう一つ、小さめのリングを取り付けたような感じなのだ。
しかも、その小さなリングの方は、明らかに、指輪用のリングではなかった。
少し独特な形をしているのである。
ひと月ほど前までは、自身もオシャレな上流社会の住民だったいずみには、その第二のリングが何なのかは、すぐに、うっすらと見当がついたのだった。
同時に、亮生の方から、カチカチと言う金属音が聞こえてきた。
いつの間にか、亮生は、穴あけ用のパンチを手に握っていたのである。
それを動かして、楽しそうに音を鳴らしていたのだ。
いずみの表情が、いっぺんに怯えたものに変わったのだった。