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没落お嬢さま
第12章 第十一夜
「何をなさるおつもりですか」
と、いずみは、心配そうに亮生に尋ねた。
「その指輪、君も気に入っただろう?
喜べよ。しばらくは、つけててもいいよ。
何しろ、僕は、君を自分のものだと認めてやったんだからな。
その指輪は、君が僕のものである証しだ」
亮生は、高らかに告げた。
「しかし、こんな大切なものを私が持っていたら、他の人たちに叱られてしまいます」
「持つんじゃない。きちんと身に付けておくんだ」
「それだと、なおさらです。
指にはめていたら、すぐ皆に見つかってしまいます」
「指につけるんじゃないよ。これは、ピアスに直したんだ。
ピアスとして使えるように、金細工が得意な友人に、即興で加工してもらったんだよ」
いずみは目を見開き、ゴクリと息を飲んだ。
彼女の悪い予想は当たったようなのである。
指輪に取り付けられていた、付属の小さなリングは、ピアスの留め具だったのだ。
彼女は、おののきながら、両耳を自分の手のひらで隠した。
「そのようなものを耳につけたりしたら、よけい目立ってしまいます」
彼女は、困ったような表情で、真剣に訴えた。
「誰が耳につけると言った?
違う場所に取り付けるんだよ。普段は誰にも見られないところにね」
亮生が、そんな事を言ったものだから、いずみは愕然として、絶句したのだった。
と、いずみは、心配そうに亮生に尋ねた。
「その指輪、君も気に入っただろう?
喜べよ。しばらくは、つけててもいいよ。
何しろ、僕は、君を自分のものだと認めてやったんだからな。
その指輪は、君が僕のものである証しだ」
亮生は、高らかに告げた。
「しかし、こんな大切なものを私が持っていたら、他の人たちに叱られてしまいます」
「持つんじゃない。きちんと身に付けておくんだ」
「それだと、なおさらです。
指にはめていたら、すぐ皆に見つかってしまいます」
「指につけるんじゃないよ。これは、ピアスに直したんだ。
ピアスとして使えるように、金細工が得意な友人に、即興で加工してもらったんだよ」
いずみは目を見開き、ゴクリと息を飲んだ。
彼女の悪い予想は当たったようなのである。
指輪に取り付けられていた、付属の小さなリングは、ピアスの留め具だったのだ。
彼女は、おののきながら、両耳を自分の手のひらで隠した。
「そのようなものを耳につけたりしたら、よけい目立ってしまいます」
彼女は、困ったような表情で、真剣に訴えた。
「誰が耳につけると言った?
違う場所に取り付けるんだよ。普段は誰にも見られないところにね」
亮生が、そんな事を言ったものだから、いずみは愕然として、絶句したのだった。