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没落お嬢さま
第2章 第一夜
「どう?気持ちよかった?私と接吻できたのよ。
結婚するまでお預けにしてたんだもんね。
でも、結婚もオジャンになったから、今してあげたわ!
嬉しい?これでもう、心残りはないわよね?」
そう怒鳴り散らしながらも、よく見ると、いずみは顔を真っ赤にしていた。
赤いだけではなく、つり上がった目からは涙もこぼれているのだ。
今の彼女は、自分からこんな事を仕掛けていながら、悔しさで、激しく気が動転していたのである。
亮生の方も、どう対応すればいいか、分からなくなっていた。
そして、いずみは、急に亮生へと背を向けたのだった。
そのまま、ドアの方へ駆け出したのだ。
彼女は、泣きべそをかきながら、まっすぐ、この部屋から飛び出してしまった。
それっきり、この部屋には戻ってこなかったのである。
突然の出来事に、亮生も、しばらくは頭が混乱したままだった。
ただ、手と口に触れたいずみの感触だけが、まだ、じんわりと残り続けていたのである。
彼は、この一連の出来事を家族にも報告はしなかった。
また、いずみ以外の使用人の誰かが、いずみに代わって、すぐ、この部屋に駆けつけるような事もなかったのである。
結婚するまでお預けにしてたんだもんね。
でも、結婚もオジャンになったから、今してあげたわ!
嬉しい?これでもう、心残りはないわよね?」
そう怒鳴り散らしながらも、よく見ると、いずみは顔を真っ赤にしていた。
赤いだけではなく、つり上がった目からは涙もこぼれているのだ。
今の彼女は、自分からこんな事を仕掛けていながら、悔しさで、激しく気が動転していたのである。
亮生の方も、どう対応すればいいか、分からなくなっていた。
そして、いずみは、急に亮生へと背を向けたのだった。
そのまま、ドアの方へ駆け出したのだ。
彼女は、泣きべそをかきながら、まっすぐ、この部屋から飛び出してしまった。
それっきり、この部屋には戻ってこなかったのである。
突然の出来事に、亮生も、しばらくは頭が混乱したままだった。
ただ、手と口に触れたいずみの感触だけが、まだ、じんわりと残り続けていたのである。
彼は、この一連の出来事を家族にも報告はしなかった。
また、いずみ以外の使用人の誰かが、いずみに代わって、すぐ、この部屋に駆けつけるような事もなかったのである。