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没落お嬢さま
第17章 第十六夜
「ほら。こちらの壁を見てごらん。
これは、今日、僕がもらった誕生日プレゼントが入った箱の数々だ。
実は、この中に、君にあげるものも混ざっていたんだ」

「どう言う事でしょうか」

「まずは、その箱を開けてみろよ」

亮生は、壁の前に積み重なっていた、沢山のプレゼントの箱の一つを、指さした。
かなり大きめの、平たい箱なのである。

いずみは、指示された通りに、その箱を引っ張り出して、開け始めたのだった。

「それは、僕の学校の友人からのプレゼントだ。
でも、ほんとは、僕が彼に頼んで、贈らせたものなんだよ。
そうでもしないと、この部屋に、皆に内緒で、特別なものを持ち込めないからね」

亮生の説明を聞き流しながら、いずみは、とうとう、プレゼント箱のフタを外した。

「これは!」

と、彼女は、呆気にとられて、目を大きく開いたのだった。

「どうだい。気に入ってくれたかな」

亮生も、とても楽しそうであり、声も弾んでいた。

いずみは、すぐさま、プレゼント箱の中のものを引っ張り出したのである。
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