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没落お嬢さま
第17章 第十六夜
いずみは、さっそく、姿見の前に立つと、今着ているメイド服を脱ぎ始めたのだった。
しかし、彼女が、下着だけの格好になった時、いきなり、亮生からの注文が入ったのである。

「下着も取るんだ。全部、裸になってから、そのドレスは着るんだよ」

いずみは、怪訝そうな表情になった。

でも、この状況では、亮生の指示にケチはつけられそうにないのだ。
だから、彼女は、言われた通りに、下着も脱いで、裸になってしまったのだった。
メイドキャップや靴下も取って、すっぽんぽんになってしまったのである。

「いいぞ。素肌の上に、ドレスだけを身につけるんだ」

亮生は命じた。
いずみは、そのようにドレスを着てみせたのである。

「いかがでしょう。ご主人さま」

ドレスをしっかりと着こなしたいずみは、ニッコリと微笑み、亮生の方に正面を向けて、立ってみせた。

「いい。とってもいい!
これこそ、お嬢さまだった頃のいずみさんだよ」

亮生が、感動した様子で、呟いたのだった。

いずみも、照れ臭げに、はにかんだのである。
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