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没落お嬢さま
第18章 第十七夜

  第十七夜

翌日、いずみは、夜食運びだけではなく、部屋の掃除も一人で担当する事を亮生に命じられたのだった。

こうして、実際に、亮生のいない昼間の彼の部屋に入ってみると、あちこちに、昨夜の散らかした跡が残ったままだったのである。
特にベッドの乱れからは、ここで複数の人間が寝たと言う事が、はっきりと見て取れた。

でも、いずみに掃除をやらせれば、そんな事も、いっさい、他人にはバレないで済む訳である。

どうやら、いずみが毎晩、亮生に虐げられている事は、これからも第三者には知られる事はなさそうなのだった。

ただし、亮生の部屋の掃除を任せられるようになったのは、いずみにとっても、悪い事ばかりでもなかったのである。
掃除の最中に、いずみは、こっそりと、あの自分のドレスも手に取れるようになったのだ。

彼女は、掃除の合間を見つけて、ひそかにドレスを持ち出すと、亮生にも内緒で、こそっと着てみて、一人で幸せに浸るようにもなったのだった。
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