この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
没落お嬢さま
第3章 第二夜
これまで椅子に座っていた亮生が、勢いよく立ち上がった。
そして、彼は、ぐいっと、いずみの前に詰め寄ったのだ。
驚いたいずみは、目を見開いて、立ちすくんでいた。
その体は、相変わらず、大きく震えているのだ。
「いいかい。
君の事なんて、すぐにクビにだって出来るんだ。
それを、昔のよしみで、情けをかけて、ここに置いてやってるだけなんだよ。
その事をきちんと理解しているのかい?」
「分かってるわ。
だから、昨日の態度は無礼だったって、謝っているのに」
「いいや。分かってないね。
また、タメ口になってるじゃないか」
「ごめんなさい」
「申し訳ありません、だ」
「も、申し訳ありません」
「いい加減、お嬢さまだった頃のプライドは捨てろよ。
今の君は、もう、ただの下級労働者なんだ。
それも、居場所のないノラ猫よりも、もっとタチが悪い。
これまで、まともな仕事もした事がなくて、ほんとに何も出来ないんだからね。
それを、うちの家で、気の毒に思ったからこそ、恩恵で雇ってあげてるんだ。
あんまり聞き分けが無いようだったら、今すぐ、君をここから追い出してもいいんだぜ。
でも、外の世界に出されたら、君はどうやって生きてゆく?
屋敷の外には、怖い人間がいっぱい居るんだ。
君みたいな温室育ちの世間知らずは、たちまち、そいつらの食い物にされてしまうぞ」
亮生は、厳しく説教し続けた。
そして、彼は、ぐいっと、いずみの前に詰め寄ったのだ。
驚いたいずみは、目を見開いて、立ちすくんでいた。
その体は、相変わらず、大きく震えているのだ。
「いいかい。
君の事なんて、すぐにクビにだって出来るんだ。
それを、昔のよしみで、情けをかけて、ここに置いてやってるだけなんだよ。
その事をきちんと理解しているのかい?」
「分かってるわ。
だから、昨日の態度は無礼だったって、謝っているのに」
「いいや。分かってないね。
また、タメ口になってるじゃないか」
「ごめんなさい」
「申し訳ありません、だ」
「も、申し訳ありません」
「いい加減、お嬢さまだった頃のプライドは捨てろよ。
今の君は、もう、ただの下級労働者なんだ。
それも、居場所のないノラ猫よりも、もっとタチが悪い。
これまで、まともな仕事もした事がなくて、ほんとに何も出来ないんだからね。
それを、うちの家で、気の毒に思ったからこそ、恩恵で雇ってあげてるんだ。
あんまり聞き分けが無いようだったら、今すぐ、君をここから追い出してもいいんだぜ。
でも、外の世界に出されたら、君はどうやって生きてゆく?
屋敷の外には、怖い人間がいっぱい居るんだ。
君みたいな温室育ちの世間知らずは、たちまち、そいつらの食い物にされてしまうぞ」
亮生は、厳しく説教し続けた。