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没落お嬢さま
第21章 第二十夜

  第二十夜

どうやら、いずみにとっては、セックス以外にも、不安案件が増えてしまったようである。

彼女は、翌日も、亮生の部屋に夜食を持っていった。

すると、亮生の机の上の隅っこには、昨日の小ビンが飾られていたのである。
まるで見せびらかすように、堂々と置かれていたのだ。
これでは、この部屋に入ってきた誰にでも見られてしまうだろう。

椅子に座っていた亮生も、ニヤニヤと笑っていた。

いずみは、バツが悪そうな表情になって、顔をしかめたのだった。
だが、いずみにしてみれば、今日の心配な要素は、それだけではなかったのだ。

彼女は、いつものように、夜食を机の上に並べ始めた。
しかし、今日は、普段のラインナップとは違う食べ物も混ざっていたのである。

それは一本のバナナだった。
かなりの高級品なのであろうが、それでも、基本的には、ただの皮付きのバナナなのである。
しかも、亮生じきじきに希望した品なのであった。
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