この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
没落お嬢さま
第21章 第二十夜
第二十夜
どうやら、いずみにとっては、セックス以外にも、不安案件が増えてしまったようである。
彼女は、翌日も、亮生の部屋に夜食を持っていった。
すると、亮生の机の上の隅っこには、昨日の小ビンが飾られていたのである。
まるで見せびらかすように、堂々と置かれていたのだ。
これでは、この部屋に入ってきた誰にでも見られてしまうだろう。
椅子に座っていた亮生も、ニヤニヤと笑っていた。
いずみは、バツが悪そうな表情になって、顔をしかめたのだった。
だが、いずみにしてみれば、今日の心配な要素は、それだけではなかったのだ。
彼女は、いつものように、夜食を机の上に並べ始めた。
しかし、今日は、普段のラインナップとは違う食べ物も混ざっていたのである。
それは一本のバナナだった。
かなりの高級品なのであろうが、それでも、基本的には、ただの皮付きのバナナなのである。
しかも、亮生じきじきに希望した品なのであった。