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没落お嬢さま
第21章 第二十夜
そして、ぱくんと、バナナの先がいずみの口の中に入ったのである。
バナナをくわえたいずみの口もとを見ているうち、なぜか、亮生も、顔が真っ赤になっていったのだった。
「待った!そこまででいい。食べなくていいよ」
彼は、慌ててストップをかけたのだった。
いずみはキョトンとして、目を開いた。
「早く、出して!確かに、それは食えないな」
うろたえながら、亮生が言った。
そんな訳で、いずみも素直に従って、食いかけのバナナを口から取り出したのだった。
そのバナナには、いずみの歯型と、いくらかの唾液も付いていた。
「これは、どうなさいますか」
と、いずみが尋ねた。
「捨てるよ」
「では、私が処分しておきます」
「いや。僕が始末しておく」
「だけど、ご主人さまに、そんな雑用はお任せできません」
「いいんだ。さっさと僕によこせ!」
亮生が、赤らめた顔のままで怒鳴った。
そこまで言われてしまうと、いずみも手渡すしかなかったのである。
本当は、彼女としては、早いとこ、この自分に不名誉なバナナは抹消してしまいたかったのに。
「今日は、これで終わりでいいよ」
いずみからバナナを受け取った亮生は、そう告げた。
いずみも、しっくりいかないまま、今夜はこれで解放してもらえたのだ。
バナナをくわえたいずみの口もとを見ているうち、なぜか、亮生も、顔が真っ赤になっていったのだった。
「待った!そこまででいい。食べなくていいよ」
彼は、慌ててストップをかけたのだった。
いずみはキョトンとして、目を開いた。
「早く、出して!確かに、それは食えないな」
うろたえながら、亮生が言った。
そんな訳で、いずみも素直に従って、食いかけのバナナを口から取り出したのだった。
そのバナナには、いずみの歯型と、いくらかの唾液も付いていた。
「これは、どうなさいますか」
と、いずみが尋ねた。
「捨てるよ」
「では、私が処分しておきます」
「いや。僕が始末しておく」
「だけど、ご主人さまに、そんな雑用はお任せできません」
「いいんだ。さっさと僕によこせ!」
亮生が、赤らめた顔のままで怒鳴った。
そこまで言われてしまうと、いずみも手渡すしかなかったのである。
本当は、彼女としては、早いとこ、この自分に不名誉なバナナは抹消してしまいたかったのに。
「今日は、これで終わりでいいよ」
いずみからバナナを受け取った亮生は、そう告げた。
いずみも、しっくりいかないまま、今夜はこれで解放してもらえたのだ。