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没落お嬢さま
第22章 第二十一夜

  第二十一夜

翌日、いずみが亮生の部屋へ掃除に入ってみると、ゴミ箱の中から、例のバナナの皮を発見したのだった。
皮だけである。バナナの中身は、どこにも無かったのだ。

いずみは、バナナの皮を摘んで、怪訝そうな表情になった。
彼女には、ある推測が思い浮かんだのだが、それは、できれば、信じたくないものだったのである。

彼女は、照れ臭い感情になり、頰を赤らめたのだった。

そして、また、今晩の夜食の時間がやって来たのである。

今日も、夜食を運んで来たいずみの事を、亮生は楽しそうに待ち構えていた。
いずみは、終始、怯えた気持ちで居続けたのだった。

「さあて、今日はだね」

と、いずみが夜食を机にセットし終えると、嬉々とした亮生が喋り始めた。
いずみも、緊張して、ピンと直立したのである。

「ヘンな小物を君に突っ込んで、試したりはしないよ」

「ほんとですか?」

疑った感じで、いずみが聞き返した。

「代わりに、あらためて、君の大事な部分を、僕に触らせてくれないかな?」

いずみの表情が曇った。
やっぱり、ただでは済まなかったのである。
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