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没落お嬢さま
第24章 第二十三夜
「え?これって?」

呆気にとられて、亮生はいずみに質問した。

「そのう。オモチャです」

いずみは、モゴモゴと答えた。

「どうやって遊ぶオモチャなんだい?」

「だから、その、これからは、これを使っていただきたいのです」

「使うって・・・?」

「だからですね、バナナとかビンとかは、あまり清潔とは言えません。
今後は、代わりに、これを用いるようにしてほしいのです」

顔を真っ赤にしながら、いずみは言い切った。

それで、亮生にも、ようやく全てが理解できたのである。
彼は、途端に、腹を抱えて、大笑いしてしまったのだった。

いずみの方は、照れ臭げで、今にも顔から火が出そうな有様なのだ。

彼女が、なぜ、このようなものを持っていたのか、はっきりした事情は分からない。

もしかすると、この屋敷に来る以前から愛用していたのかもしれないし、休みをとった昨日、町へ行き、急いで購入してきた、と言う可能性もありうるだろう。
どちらにせよ、妙齢の娘にしてみれば、あまり好ましい話ではないのである。
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