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罪人の島
第4章 飼育
「じゃあ、下に降ろしますよ」

 勇也は、そう言うとスィッチを押して、結衣のロープを吊ったチェーンをゆっくりと降ろして行った。
 同時に由衣の体が下がって来て、櫂がそれを受け止めた。
 勇也が、結衣の足がちょうど届く辺りで機械を止めると、猿ぐつわを咬まされている結衣は、ホッとした表情になった。

「まずは手入れからしてあげよう」

 そう言って、櫂は、いろいろなものの乗った金属製のワゴンを押して来た。
 その中から、電動のシェーバーを取り出し、結衣の恥部に近づけて行った。
 結衣が声にならない声を発しながら、身をよじって逃げようとするので、勇也がウィップを取り、背中を打った。
 ピシッという音が部屋の中に反響し、結衣は痛さに体を曲げた。

「まっすぐに立って、両足を開くんだよ、05番」
「さっさとしないと、もう一度打つぞ1」

 結衣は、観念したのか、そろそろと足を開いた。
 海外シェーバーを当てようとした瞬間、結衣は、櫂を蹴飛ばした。

「おいおい、それって、根性ありすぎでしょ?」

 櫂が言うと勇也が2度、鞭を振るう。
 ビシッ、ビシッという音が響き、結衣の背中は赤くなった。

(やだっつってんだよ)

 はっきりでないにしても、そう怒鳴っているのがわかった。
 少しぐらいの鞭では屈しないという様子だ。
 こうなると、SMクラブ調教見習いの二人には、持て余す感じがした。
 なので、ちょうど谷口が様子を見に訪れた時、助けが来たとばかりに事情を話した。

「何やってんだ。たった一人を相手に……」
「根性が座っていて、言うこと聞かないんですよ」
「なら、言うことを聞くようにしてやればいいだろう?」
「だって、ペットにするんでしょう? だから一応、気を遣ってるんですよ」
「なるほど……。じゃあ、方針変更だ。訓練施設に送ればいいさ」
「え? だって、かなり綺麗ですよ?」
「いいんだよ。言うこと聞かなきゃ、どうにもならないだろう?」
「あっちに行ったら変わるかもしれませんしね」

 勇也が檻にタイヤが付いたような籠を、ゴロゴロと引いて来た。
 三人掛かりになると、逆らっても無駄だと悟ったのか、結衣は、縄をかけられたまま籠に乗った。
 
「本当に良いんですね?」
「あぁ、構わない。他にもたくさんいるからな、ペット候補は」

 連絡をすると、すぐに武田とデボラが迎えに来た。 
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