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お嬢様は幽霊執事にお困りのようです
第1章 1
新しい朝というのはいつも、困惑しているような気持ちで幕を開ける。おかしな夢でも見た後みたいな目覚めの悪さと、微睡みの中ぼんやりしていたい気持ち――そしていつもみたいに。

「――!!!」

 あの声に叩き起される。

――――――――――



「有姫ちゃん、朝だよ! 朝だよー! 今日から学校だよー!! 入学式だよー!!」

「分かってる。うん、分かってるから......」

 目覚めの悪さを最大限に引き出すような甲高い声が、頭上から降ってくる所から私の1日は始まる。

私の史上最悪の目覚まし時計となっているのはこの幼女――もとい、親友の美鈴ちゃんである。

 こんなちっこいのが私の親友っていうのにはもちろん訳がある。私だって同年代の親友が欲しい。というか、本当はこの子だって同年代だ。

 どういうことかというと――この子は幽霊なんだ。
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