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お嬢様は幽霊執事にお困りのようです
第2章 2
「――お嬢様。......お嬢様」

 これは現実なの? それとも夢でも見てるの?

 甘く混濁した先に見えたのは、確かに見覚えのある彼の顔。

「――初音、おいで?」

 私の声が聴こえる。いや、この声は本当に私の声なんだろうか。それに......。


 私は......誰の名前を呼んでいるの?

 聞き覚えのない名前、それでも私はこの名前を呼び慣れている気がする。

 ゆっくりとした動作で彼が動く。

 私の身体を包むように抱き締め、確かな暖かさが私に伝わったところで――。

「お嬢様、お嬢様!!」

 ――目が覚めた。
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