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呟き…
第1章 働けよ…
今日は大した仕事はしてないが懐中電灯の灯りだけを頼りにシャワーだけでお風呂に入る。
お風呂から出ればお母さんが私の夕食を用意する。
塩鮭、卵焼き、ウィンナー…。
普段の私とお父さんのお弁当のおかず…。
冷蔵庫が止まってるから腐らさない為にとお母さんが次々におかずを出す。
お父さんは
「ビールが温くなるから飲めや。」
と大弥君の親にビールを飲ませてる。
「お姉ちゃん、ごめんな。」
何故か大弥君が私に謝って来る。
「何が?」
「お姉ちゃんのハンバーグな。柑奈が全部食べてもうてん。」
大弥君と柑奈ちゃんは暗くなる前にご飯を食べた。
小さい子だからと私がお弁当用に冷凍してたハンバーグを食べたらしい。
「大弥も食べたやろ?」
柑奈ちゃんだけのせいにする大弥君を悠真が笑う。
「うん、美味しかったで。」
大弥君が満面の笑みを浮かべる。
こんな小さな子でも災害中だから気を使う事をちゃんと理解してるのに…。
広末さんの事を考えると頭が痛くなる。
「お兄ちゃん、もっかいゲームさせて…。」
悠真の携帯を大弥君が強請る。
テレビすら観れず退屈な大弥君。
「ごめんな、お兄ちゃんの携帯はもう充電切れや。」
残りが10%だと悠真が言う。
「悠真、充電に行こう。」
ご飯を済ませて家を出る。
「充電?」
「車で出来る。」
「ああ、そうやったな。」
車を持たない悠真が納得する。
駐車場に停めた車に乗り、悠真と2人だけになれば一気に今日の出来事を捲し立てる。
「絵本書きたいとか、そんな夢ばっかり見てて仕事なんか出来る訳がないやん?」
かなりキレてた。