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呟き…
第1章 働けよ…



微妙ではあるが私には人見知りがある。

だから会社では大人しい人というイメージの扱いを受けるが、その実は内弁慶で悠真や家族にはやたらと偉そうに本音をぶちまける。

悠真は黙って私の話を聞く。

私の気が済むまで私が吐き出す言葉を受け止める。


「どう思う?」


一通り、今日の不愉快を悠真に言うたら悠真の意見を求める。

悠真が苦笑いをして私の頭を撫でて来る。


「どうもなんも、そういう話は会社の上司に報告って形で言うべきちゃうか?」


どんな時でも悠真は冷静だ。


「そうやけど…。」

「来夢が一番ムカついてんのは仕事を否定された事やろ?お前は建築愛が異常やからな。」


クスクス笑って私を馬鹿にする。


「建築愛って…。」

「絵本書きが夢やとは思わん。ほんまに才能があれば可能な職業や。けど、それを言い訳に汚れた作業服なんか着たくない言われたんが悔しいんやろ。」

「まあ、そうかもしれん。」

「夢見る奴は多いからな。ほんまに才能があるんなら好きなだけやればええねん。但し才能のない奴が夢を見るのは俺は好かんけどな。」


悠真の仕事でも毎年のように新人が自分の作品の評価を求めて来る。

未だに、才能があると感じた子を見た事がないと悠真は笑う。


「夢だけで飯が食えたら誰も苦労はせん。それでも、どっかで見た事ある様な作品にちょっと手を加えた程度のものを持って来て才能があるフリを必死にやってる奴が多い。」

「そんなに酷いんか?」

「上手いでしょ?ってしたり顔で持って来るけど酷い奴は俺が起こしたソースの丸コピーってのも居る。」


悠真は既に評価を受けてる人だから…。

その悠真の作品のコピーで上手いフリまでする人が居ると悠真が言う。


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