この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
呟き…
第10章 どこまでが浮気…7
物攻撃は相馬さんだけに限らない。
私が捻挫で動けないと来人から聞いたお父さん…。
「寿司食うか?」
「焼き鳥買うて来たったぞ。」
「この店のモツ煮込みがやたら美味いんや。」
と1日1回は食料を持って現れる。
「お父さん…。」
「なんじゃ?花なんか飾りよって…。」
「これは相馬さんからのお見舞いや。」
「おー…、ゲレンデの兄ちゃんか。あいつ…、悠真よりええ男やんな。」
お父さんの言葉が悠真の神経を逆撫でする。
私の気持ちとは裏腹に相馬さんのケーキ攻撃とお父さんの食料攻撃は10連休が終わるまで止む事がなかった。
そんな訳で機嫌の悪い悠真は動けない私を押さえ付ける。
「さあて、来夢さん。ひと運動しよか。」
「止めろっ!怪我人やぞ。」
「もし太ったらウェディングドレスが作り直しになるて言うてたやろが…。」
「こんなんで痩せるかいっ!」
「SEX1回の消費カロリーは約70キロカロリー、ケーキ1個が約350キロカロリー、5回もやれば無事に太らずに済むぞ。」
理屈っぽい男の僻みは面倒なだけだと思う。
不機嫌な悠真に抱かれて、ひたすら思う事は…。
浮気は2度とお断り…。
捻挫も2度とお断り…。
結局のところ、どこからが浮気でどこまでが浮気だったのかすら全くわからんかった状況で、ことごとく悠真に嫌味を喰らうくらいならば、私は小さいオッサンのままで人見知りをしてる方がまだマシだと考える。
多分、人生で一番最悪なゴールデンウィーク…。
趣味も無く、人付き合いも無く、いじけた結婚相手とのSEX三昧…。
「SEXだけの男は嫌や言うてるやろ!」
「SEXだけちゃうわ。ちゃんとお前を愛したる。」
違う意味で悠真との結婚を決めた自分に改めて後悔しそうになる。
結婚とは、こいつがいじける度にSEX三昧に突入するって事ですか?
結婚した現在…。
私はまたくだらない事で悠真がいじけたらと怯える毎日だったりします。
どこまでが浮気…fine