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呟き…
第12章 大ちゃん…
大ちゃんと呼ばれるお父さん…。
昔はぼーそーぞくだったと皆んなから聞く。
怖い人か?
否…。
私には激甘でお馬鹿な人だと思う。
その大ちゃんの困った一面を書いてみよう。
ハワイに家族でゾロゾロと出掛ける事が決まった。
理由は私と悠真の結婚式と悠真の母親である奈美おばちゃんと不動産会社社長様である藤井さんの結婚式を同時に行う為。
このハワイ行きは悠真が全額の旅行費を出し、結婚式の費用は全て藤井さんが出した。
悠真曰く…。
「旅行費だけでも半端ない。」
そりゃそうだ。
うちのお父さん、お母さんに弟。
更にお母さん方の祖父母。
奈美おばちゃんの方は奈美おばちゃんの両親。
つまり悠真の祖父母と更におばちゃんの妹夫婦にその娘もついて来る。
藤井さん側も藤井さんのお母さんと妹さんがついて来たから付き添い家族だけでも12人…。
その為、飛行機とホテル代だけでとんでもない事になり、結婚式費用は私の義父さんになるのだからと優しい藤井さんが喜んで出してくれた。
いやいや、藤井さん…。
貴方も今回は新郎ですよ。
その状況を大ちゃんに言う。
少しはお前も協力しろとオーラを出してやる。
それに対する大ちゃんは鼻をほじりながら
「だったら日本だけでやりゃええやんけ。」
とそっぽを向く。
今回のハワイでの結婚式を大ちゃんは嫌がる。
娘が可愛いから?
泣きそうになるから?
違うっ!
大ちゃんは
「そもそも俺は日本語の通じない場所には行きたくないねん。」
と言うて駄々を捏ねる。
昔、家族で韓国に行きたいとお母さんが言った時もお父さんは同じ理由で却下した。
国内から出たくない大ちゃん…。
パスポートを取らせるだけでも一苦労だった。