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呟き…
第2章 なるほどね…
1つは万人受けのタイプ…。
誰が見ても普通に面白いと感じるものが書ける人。
一見すれば人気があるように見えるけど実際はオリジナリティが薄い。
私は多分そっちに属すと悠真が言う。
「もう1つは?」
「自己陶酔型。」
自分の世界観だけで書く人。
万人に受け入れられる事が少ない人。
自分が楽しめる世界だけでいいのだとそこだけを追求するタイプ。
「だけど、そういうタイプの作品が1度でもウケると爆発的な人気になる。巨人が人を食う作品も『うちの出版社向けじゃない。』と言われて出版社から蹴られた事がある作品だったが爆発的な人気が出てアニメ化までされた。」
具体例がデカすぎるとは思うが事実ではある。
もう私の頭は混乱してて訳がわからない。
「ならば自己陶酔型の方がオリジナリティが強いって事か?」
「オリジナリティが強過ぎて要らない作品として扱われる事も多い。要するにくどい…。読んでて腹一杯になるから、もう要らねってなりがちな作品な。」
自己陶酔型は本物の天才が多い。
だけど万人受けはしないから…。
「なんとかと天才は紙一重という状況が出来上がる。」
意地悪に天才が笑う。
だから私は凡人で良いのだと…。
うーむ…。
なら今まで通りに自由気ままに書いてりゃいいか…。
そう考える頃には悠真が私を突き放す。
「俺、仕事中…。」
「お邪魔してすみませんでした。」
「来るなら俺のチンコが疼くような話で来いよ。」
「……。」
「大人しく仕事します。」
「早く終わらせろや。」
「任せろ。」
偉そうに言うが結局は〆切のギリギリまで仕事をする事になる悠真君。
仕事が終わった悠真に小説についてまた質問する。
「俺は仕事が終わったばかりやぞ!仕事を思い出すような話をすんなっ!」
発狂された。
それでも懲りずに悠真に聞く。
小説の世界って奥が深い。
難しく考えれば考えるほど私が書きたいものからは離れていく。
つまりそれがオリジナリティを失くす事になる。
今は難しい事は考えずにストレスの発散だけで自分が楽しく書ければいいのだと教えられた。
例え悠真が発狂したとしても私はしつこく悠真に質問を繰り返す1日がそこにあった…。