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呟き…
第1章 働けよ…



その飲み物を持って2階にある自分のデスクに戻ろうとすると彼女が


「ご飯は食べに行かないのですか?」


と聞いて来る。


「台風やで?」

「台風だとご飯を食べに行かないんですか?」


……。

工事部では台風だから皆んながお弁当かカップラーメンを持って来てる。

多分、事務のおばさん達もそうだろう。

うちの会社から一番近いコンビニまでは歩いて10分はかかる。

会社の隣にあるうどん屋は雨の日は配達お断りのうどん屋さんだ。

必然的に雨の日はお弁当を用意する社員ばかりの中で彼女はお弁当なんか持って来てないと言う。

新人だから…。

仕方ないと思い私の車を出して彼女をコンビニに連れて行く。


「ファミレスとか行きませんか?」


私の車に乗る彼女が言う。


「いや、私はお弁当を持って来てる。」

「そうですか…。」


嫌そうな声がする。

わざわざ車を出してるのは私なのに…。

ありがとうもなく彼女はコンビニに行く事に不満気な顔をする。

コンビニに着いた。

彼女はじっとおにぎりの棚を見る。

そして…。


「ねえ、森本さん。おにぎりとサンドイッチのどっちがいいですか?」


と私に聞く。


「私なら時間がない時はおにぎり…。」


と答えた。

実際、昼休みを彼女の為に10分以上は削ってる。

だから、さっさと選んで欲しいとしか思えない。

なのに…。


「えーっ?おにぎりですか?私はサンドイッチの方が良いけどなぁ…。」


よくわからない答えを彼女がする。

しかも…。


「ここのサンドイッチ…、あんまり美味しそうじゃないですね。出来れば他のコンビニに行って貰ってもいいですか?」


と言い出した。


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