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呟き…
第4章 どこまでが浮気…1



「バッグくらいまた買うたるやんけ。」


悠真が私の言い過ぎを責める。

千代子ちゃんがますます悪化する事を避けたいと思う悠真の気持ちが伝わって来る。

限界や…。

私は普段は大人しい…。

ただキレたら手が付けられない。


「新しいのなんか要らん。これはお父さんが買うてくれたバッグやから。」


悠真にトドメを刺してバッグの中身をソファーにぶちまける。

悠真が固まってる。

怯えた表情で私を見る。

お父さんには勝てないと思い込んでる悠真。

場合によっては私は悠真よりもお父さんが大好きという娘だから…。

そのお父さんからのプレゼントだとわかれば悠真は自分を責める事になる。

そこまでわかってて私は悠真を責める。

長い付き合いだから本気で喧嘩する時は相手の弱点を責めて容赦がなくなる。


「あんな…、来夢…。」


普段は冷静な悠真が狼狽える。

人の感情が理解出来ない悠真は私の怒りが本気だと伝わると逃げ出したくなるという困った奴だ。

結婚まで残り時間が4ヵ月しかない今は逃げ出す事も許されずに悠真はひたすら狼狽える。


「帰る…。」


バッグを持って悠真の家を出ようとすれば


「送るから…。」


と悠真が私を追いかける。


「私の事はなんもして要らんから…、悠真は千代子ちゃんだけをなんとかしろ。」

「……。」


悠真は答える事すら出来なくなる。

男は出来ない事を言うな。

亡くなった悠真のお父さんと私のお父さんの言葉を悠真は守る人。

俯いた悠真を見捨ててマンションを飛び出してた。


相変わらず…。


そう言われても仕方がないが私と悠真の歯車はこうやってズレてまう。

この問題が解決するには1ヵ月という無駄な時間を費やす事になった。


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