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呟き…
第4章 どこまでが浮気…1
そんなはずはない。
バッグはお父さんが買ってくれた私が所有する数少ないブランドバッグ。
お母さんとお揃いだから私は悠真の家に置いていた。
「無いねん…。」
相馬さんとの食事だから流石に仕事用のリュックやカバンという訳にはいかない。
「チョコに聞いて来る。」
悠真はそう言うがこの寝室には入らない約束になってるはず…。
クローゼットの中を探すのは諦めて千代子ちゃんが居るリビングに向かう。
「チョコ、来夢のバッグとか知らんか?」
悠真がそう聞いてる。
「ああ、それなら…。」
と千代子ちゃんがソファーの足元にあるゴミ袋の上から私のバッグを取り出す。
「なんで、ここにあんのよ!?」
新たな発狂が生まれる。
「ちょっと借りただけじゃん。」
千代子ちゃんは膨れっ面で開き直る。
「あの部屋には入るなって約束やったろ?」
穏やかな声で悠真が叱る。
だけど私の怒りは治まらない。
たかがバッグ…。
されど…。
「人の物を勝手に取って使えば泥棒やって学校で学ばんかったか?それとも学校に行ってないからわからんとか言うつもりか?」
完全にキレてた。
「来夢…、言い過ぎや。」
「言わなわからんやろ?奈美おばちゃんかて私と同じ事を言うわ。」
「オカンは叔母やけど来夢はちゃうやろ?」
「私は家族とちゃうってか?だったら…。」
お前となんか結婚しても意味がない。
そこまで言うつもりで悠真に叫ぼうとしてた。
その瞬間。
私のバッグが地面へと叩きつけられる。
「返せばいいんでしょ!?来夢さんは悠兄の家にチョコが居たら迷惑なんでしょ!?もうこんな家なんか出て行くから…。」
先に千代子ちゃんの方が発狂してリビングから飛び出してた。