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呟き…
第5章 どこまでが浮気…2



気が重い…。

知らん人に誘われた食事に1人で行くとか苦手だ。

夕方までうじうじとする。


悠真の馬鹿たれ…。


文句を言うても始まらない。

割り切りが強いのか私は前にしか進まない性格。

昼過ぎに相馬さんから電話が来た。


「あの…、悠真が仕事で行けないんです。」


私なりにキャンセルなつもりで言うたのに…。


『今田さんは仕事か?しゃあないな。来夢ちゃんだけはおいでな。』


私と正反対で人懐っこい相馬さんが言う。


「はぁ…、わかりました。」


そない返事するしかあらへんやん。

相馬さんが位置情報を送るから、その場所へタクシーで来いと言う。

夕方前にその位置情報が来た。

タクシーは使わず自分の車のナビにその住所を入れて向かう。

大阪の高級料理が並ぶ地域…。


「やばい食事になりそうや。」


駐車場に車を停めてため息を吐く。

この地域じゃサンドイッチ程度でも軽く2000円を超えるとか、とんでもない値段で売ってる。

お化け屋敷を怖々と歩く人のように相馬さんが待つというお店に向かって歩き出す。


悠真の馬鹿ぁ…。


半泣きに近い。

今日は土曜日の夜だから夜の蝶と呼ばれる綺麗なお姉さん達の姿が少ないとか思う。

早朝なんかにこの付近を車で通ると電柱に蝉のようにしがみつて泣いてる女の子とか見かける。

仕事であちこちを移動する為に休日は地元ばかりで過ごす事が多い私のような人間には怪しい謎の街にしか感じない。

目的のお店の前に着けば深呼吸をして訳のわからぬ気合いを入れる。

ご飯を食べるだけ…。

食べたらさっさと帰ればええ。

自分に何度も言い聞かせてお店の扉を開ける。


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