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呟き…
第6章 どこまでが浮気…3
サーキットの近所の空き地…。
緑のフェンスに囲まれた土地。
舗装すらされておらず剥き出しの土の上には所々で雑草が生い茂る。
そんな土地の中央部分には見慣れない5台のトレーラーが並んでる。
「トレーラーですか?」
貨物用トレーラーとレースで走らせる車を運ぶ為の牽引トレーラー…。
かなり本格的なレース用移動車両とか初めて見た。
「うん、そう。あっちはトレーラーハウスね。」
見た事がない形のトレーラーを相馬さんが指差す。
「トレーラーハウス?」
「今夜のホテル替わりね。トイレもシャワーも付いてるから大丈夫やで…。」
キャンピングカーよりも生活装備が揃ってると相馬さんが説明する。
「なんぼするんやろ…。」
庶民はお値段が気になるものです。
「3台で1000万やったかな?中の装備が2000万くらいしたと思う。まあ、税金はかからんて家やから安いっちゃ安いんやで。もし来夢ちゃんも自分の分が欲しいならもう1台買おか?」
やはり相馬さんが桁違いの感覚で教えてくれる。
「要りません…。」
こんなもん買うて貰うても迷惑なだけや。
つか、1000万以上するもんを安いとか言うなと相馬さんを睨んでまう。
「来夢ちゃんはこっちな。」
私の睨みをものともせず、相馬さんがトレーラーハウスの1台に向けて歩き出す。
その1台の扉をノックしながら
「歩美(あゆみ)っ!居るか?」
と相馬さんが叫ぶ。
歩美さん…。
相馬さんの噂の彼女の1人かと思うと変な緊張が私の中に走る。
彼女を放ったらかして違う女を迎えに行ってたとか勘違いされたら私って悪者やん。
相馬さんの考え方って恐ろしいと思う私は元々、小さな身体が更に小さくなる。