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君の好きな人
第1章 君との出会い
おい!

誰かに呼ばれている気がする・・・。

ペチ、と頬を叩かれ目が覚めた。
目を開けた途端目の前には、

知らない男の人の顔が・・・。

「きゃぁぁっ!!」

私は悲鳴をあげて逃げた。

すると男の人は一瞬驚いて、すぐ怒った顔になった。

「あのなぁ!?助けてやったのに、きゃぁ、ってなんだよ、あぁ!?」

怖くて黙り込んだ私を見て、その人は困ったように頭を抱えた。
そして、私の頭をくしゃっと撫でた。
私はびくっとして体を縮めた。

「悪かった、だから、そんな怯えんなよ・・・。」

その言葉に私は恐る恐る顔を上げた。

「お前、名前なんつーの?」

突然尋ねられ、

「尾道呉羽(おのみちくれは)・・・。」

私はやっとそれだけを応えた。
するとその人は、ふと思いついたような顔をして

「もしかして皐月の妹か?」

と、聞いてきた。

皐月とは4つ上の私のお兄ちゃんである。

こく、と頷くと、
にかっと笑い、教えてくれた。

「俺、皐月のクラスメイトの春咲要(はるさきかなめ)。よろしく、呉羽!」

にかっと笑ったその人に私は不覚にも、ドキッとしてしまった。
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