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はなむぐり
第9章 はなむぐり
その日以来、私は蜜樹を積極的に外に誘うようになった。以前も出かけてはいたが部屋で過ごすことの方が多かったので、やはり二人の時間は特別で幸せだった。普段の買い物だけではなく、散歩をしたり、お弁当を作って近くの公園まで行ったり。
最近では両親も一緒に思い出が詰まった旅館にも泊まることができた。二人とももともとは身体が丈夫ではなかったので心配だったが、穏やかな日を過ごしてくれていて安心している。これからのことも少しずつ家族全員で話し合っているところで、蜜樹に負担をかけずに過ごしてもらえるよう考えている。
兄にはどう見えているのだろうと常に考えているが、一向に罰を与えられないことが不思議でならない。考えすぎだと蜜樹に言われたが。私の考える癖は何十年経ってもそのままだった。