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第6章 恭子 女優 拘束

映画[女潜入捜査官] は大ヒットだった・・
深野の見事な宣伝戦略・・恭子の2年間の沈黙・事前のリーク無し・本番監督 渡部の起用・元アイドル 明。
そして、メディアに流れるのは、たった1本のCMのみ・・
漆黒の画面をバックに女の生々しい荒い息遣い、それだけ・・

完全予約制で5,000円のチケットが飛ぶ様に売れた。

ほぼ男性で満員の映画館、シネアドが終わり上映が始まった・・
大スクリーンに映る、漆黒のバックに浮かぶ[女潜入捜査官]の妖しい真っ赤なタイトル。
そして、かすかな音が、徐々に大きくなり、艶めかしい女の乱れた息遣いに・・

「えっ・・あ、あの娘、恭子ちゃんなのっ?」
「まさかっ、別の女優だろっ・・いくら何でも、こんな酷いコトを・・」

観客が驚くのも無理は無かった・・
画面には、黒のタンクトップに純白のホットパンツ姿の若い娘が吊るされていた。
顔がアップになった・・

「あっ・・やっぱり、恭子だっ・・」
「顔だちも、表情も別人だけど、あの大きな切れ長の瞳、恭子ちゃんに間違い無いゼッ」
それ程、見違えった恭子・・
愛くるしい顔立ちで、国民の妹と呼ばれた高校時代・・
卒業後も、女優として清楚な女の娘役で、TVに映画に引っ張りだこだった・・

そして20歳になり、深野事務所に移籍し、突如マスコミの前から姿を消した恭子・・
その恭子が、突如蘇ったのだった、それも妖艶な大人の女として・・

カメラが舐める様に、恭子の全身をアップにする。
見るからにしなやかな、細身の身体、平べったい腹部は腹筋が割れている・・
小麦色に焼けた素肌が、黒と白のコスチュームに生々しく映える・・

「ふっ、漸くお目覚めかなっ? 君がスパイだったとはなぁ・・?」
恭子とダブル主演の明・・
40歳になった今も、精悍な顔立ちは健在で、オーラを放っていた・・