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裏切りの幼なじみ
第13章 究極の恥さらし
「早くもお薬が効いてきたわね」

優雅に寝そべっていられないほど、腸内の薬液が、きゅるる、と下腹を絞めあげてくる。

「ママ、助けて……お腹が痛いよぉ……」

「大丈夫よ。我慢できなくなったら、ここにすればいいわ」

高貴な美女も形無し、母に泣き付く子どものような美由紀に奈津子が示したのは、幼児用のアヒルのおまるだ。

「こ、ここにするの……? このわたしが……?」

(それもいいかもしれないわ)

プライドや羞恥のネジがあらかた外れてしまったのか、美由紀は肛門の決壊さえも素直に受け入れようとする。ふと、大切な存在に想いが至り、きょろきょろと周囲を見渡した。

(隆志はどこ……お注射だけしていなくなるなんて、ひどいわ……もうお腹が……)

「ご主人さまからのご連絡よ。出なさい美由紀」

着信を振動で知らせるスマートフォンを母から受け取る。喫茶店で気を失ったときに持っていた私物を奈津子が預かっていてくれたのだろう。

『奈津子に教えてもらった番号にかけてみたんだ。登録しておいてくれよ、じゃあな……』

「ちょっと待ってよぉ、切らないでぇ、隆志……わたしを助けて……もう限界なのっ」

のんきにも電話を終えようとする隆志に、美由紀は捨てられた女のごとく泣き縋る。

『ハハハ、冗談だよ。薬が効いてきただろ。俺は美由紀がさっき独りオナニーしていた小部屋にいる。その向かいにトイレがあるから、おいで』

電話口の隆志は、事も無げに言う。美由紀は涙目になって周囲を見る。母、奈津子、女医の由梨、おっぱい女、そして名も知らぬ女の子たち……。

「がんばって!」

パチパチパチ……。

皆が笑顔で頷き、行動を促すように拍手をくれる。

(そうよね、隆志はきっとわたしの想いを試してる。ここでおまるに垂れ流したら、単なるお漏らし女だわ。自力でトイレに……で、でも、お腹がもう、限界……)

「わたしが案内するわ、美由紀。さぁ早く」

奈津子がうっかり母の情を滲ませるが、電話越しの隆志に聞こえてしまう。

『ルール違反だ。美由紀ひとりで来い。それが無理なら、おまるに出せ!』

電話口から響く隆志の怒声は、女たち全員に聞こえるほど高らかだった。

「ありがとうママ……わたし、ひとりで頑張ってみるね……」
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