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裏切りの幼なじみ
第5章 麗しき囚虜
(雨がひどいせいか、ずいぶん人通りが少ないな)

日曜だというのに、隆志は東美学園本館のある方向へと歩いていた。

傘を叩く雨の向こうに、灯りが付いた本館エントランスが見えるが、通過する。休校日でも使える自習スペースがあるらしい。

目的地はさらに五分ほど進んだ先にあるテニススクールだ。

「裏口に着いたよ。中にいるのか?」

電話口の声が『鍵は開いてるから入って、女性用フロアへ向かってね』と告げてくる。

白を基調とした女性専用エリアは、ロッカーもパウダールームも洗練され、清潔に整えられていた。

誰もいないと分かっていても、男子禁制の場だと思うと胸が高鳴る。

設備の改装とメンテナンスのため、スクールは休業中だが、葉子はスタッフ用のカードキーで出入りできるのだという。

ルームの奥へ進むと、マッサージ用ベッドが二台、間隔を空けて置かれている。

(ここで、葉子の肉体を……)

テニスで汗を流した後、汗まみれの葉子の乳房を弄り回す。前から後ろから豊満な女体を味わい、シャワールームへ……これからのプレイを想像するだけで若い股間は膨らんでしまう。

通用口を出て、二階エントランスからテニスコートが見下ろせるテラスへ向かう。

改装されたばかりの空間を俯瞰する。

豊乳を揺らしながらコートを動き回り、汗を流す葉子が目に浮かぶ。

(だめだ……すぐにチ×ポが勃っちまう。あの日以来、妄想も現実もエロばっかりで、何も手につかないよ)

葉子とは連絡先を交換し、その後も数回会った。メッセージのやり取りは待ち合わせの日時調整のみ。パーティーの時と同じ場所で落ち合い、セックスをして別れる。お互い、プライベートな話はしない。

信頼や愛着はあるが恋人でもない。世間ではこんな関係をセフレというのだろうか。

(いいんだよな、これで。しばらくはこの関係を続けて……結局俺は、アイツを忘れられないんだし)

町田美由紀の存在を頭から消し去ろうとしたが、無理だった。

葉子はセックスシンボルとして魅力的で、何度でもむしゃぶりつきたくなる。それで身も心も満たされるなら良いが、むしろ飢餓感が募った。目の前の女体が美由紀ではないことが、やるせない。
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