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裏切りの幼なじみ
第5章 麗しき囚虜
葉子と激しく交わる最中でも、美由紀が他の男と同じような行為をしていたら、と考えてしまい、悶々とした。

「俺を男として成長させてくれる、エッチで優しい先輩。それが葉子の役回りだ。本人もそのつもりだろうし」

女性用ルームに戻り、マッサージ用ベッドに寝転がった。

雨音が激しくなっている。葉子は何をしているのだろう。

その直後――。

隆志は異変を感じ、ベッドから飛び起きた。

乱雑な靴音が迫ってくる。それも一人ではない。

「奥まで入って! ベッドがあるから、そこに放っていいわ」

ドアが開き、女の声が響いた。隆志は現状を理解するのに数秒では足らなかった。

三人の男たちが一人の女を絨毯ロールのように抱えてルーム内に乱入し、指示役の女が奥のマッサージ用ベッドへと誘導する。

「ありがとう。お礼はのちほど……」

目隠しをされ口には詰め物、手錠までかけられた女が、マッサージ用ベッドに投げ置かれた。直前まで隆志がいたベッドだ。

「驚かせてごめんなさい。わたしが彼らに無理なお願いをしたの」

男たちが去ると葉子は入口のドアを閉め、背を向けたまま沈黙した。

(テニスじゃなくて……別の目的のパートナー……?)

目の前のベッドには、スタイル抜群、目隠し、猿轡越しでも美貌と分かる女が脱力して横たわっている。

隆志はその女を匂いと雰囲気だけで直感した。

白のパンプスに黒のタイトスカート。肌寒い雨天のためか、白いブラウスに薄紫のジャケットを羽織っていた。

オフィスカジュアルのOL風だが、肌は若く、それでいて艶めかしい。

恐るおそる、手を伸ばし、黒髪ロングの美貌から目隠しを外す。

「美由紀……」

服装は違っても、高貴でクールな眼差しは変わらない。エレガントな匂いも。

「葉子、どういうことか説明してくれよ」

「ごめんなさい、隆志さん。これはあなたにしか頼めないことなの」

意を決したように向き直り、隆志の耳元まで顔を寄せてきた。

パーティーから連れ出され、エレベーターの中で囁かれた瞬間を彷彿させる。

「端的に言うわ。その女を犯してほしいの。隆志さんの好きなように……」

囁かれたのは、あまりに非常識かつ非人道的な要求だった。
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