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裏切りの幼なじみ
第1章 プロローグ
最後に会ったのは確か中三の夏頃だった。一緒に遊ばなくなってからも、たまに道ですれ違えば、笑顔で会釈をくれた。あの夏の美由紀もそうだった。

『元気?』

『まあな……』

わざと素っ気なく返した。ブレザーの制服姿の彼女が美し過ぎて、正視できなかった。
それから今日の再会まで、何があったのかは知らない。

(優しい笑顔をくれた美由紀……あの頃の……)

中三の夏の美由紀に、きょうの美由紀の匂いを重ねる。もうスケッチブックからは目を逸らし、イメージの中に漂っていた。

「本当は寂しいんだろ? 満たされたくて拗ねて甘えてるんだろ?」

哀しきペニスを包む己の指筒に、ぎゅっ、ぎゅっ、とリズムを与える。美由紀の膣肉ならば、きっとこんなふうに男根を絞るように絡みつき、妖しく迎え入れる違いない。そう隆志は思い、昂りを窮めていく。

「どうだ美由紀、もっと奥まで突かれたいか! 結局はコレが欲しいんだろ、女は!」

意識では男を軽蔑していても、問答無用の肉悦楽で女壺を貫かれれば、お高く澄ました美女も形無し。唾液を垂らしてよがり狂うに違いない。

(俺の背中に指を食い込ませてしがみ付いて、もっと、もっと、と甘え泣きするんだ。ざまぁみろだ)

もうすぐ暴発だ。隆志はスケッチブックを乱雑に捲り、最もエロティックに描けたお気に入りの絵を開いた。

「どうだ美由紀、軽蔑する下男に犯される気分は!」

スケッチブックの美由紀は恍惚の表情で隆志を見ていた。激しい手筒の揺れが机や本棚にまで伝わり、孤室がギシギシと鳴る。

「もう、いくっ、イクぞ、お前にぶちまけてやる! 俺の怒り……俺の欲望を!」

掠れ声で叫んだ直後、かつてないほど熱く滾った白粘液を大放出した。勢い余ったそれは狙いが外れてスケッチブックを飛び越えた。ベッドのシーツに降りかかり、残液がドロリと垂れ落ちてズボンを汚した。

      *     *     *

翌日。本館実習の二日目。再び美由紀の姿を見かけた。

ヒールを鳴らし、近づいてくる美由紀。隆志は固まったように立ち止まる。

ふわぁ……と通りすがりの芳香が鼻を撫でた。悩ましく、切ない香りだった。

まるで隆志など存在していないかのように、横目すらくれずにすれ違い、美由紀は歩き去った。
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