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裏切りの幼なじみ
第5章 麗しき囚虜
「んふぅっ……ん、ん、んぅぅぅ」

美由紀のトーンは上がり裏声になる。

自分のキスで美由紀が感じていると思っているのか、隆志は泥沼の口づけをやめない。

「オナニーなんて卑怯よ。隆志さん、その女の手を止めさせてっ」

キスを解かれた唇の周りは互いの唾液でべとべとに濡れている。美由紀はそのまま独りの悦楽世界に突入していく。

「あぁうぅぅぅ、くぅ、く、狂いそう……わたし、もぅ……」

恍惚の自涜を、崩れゆく美貌を、隆志は呆然と眺めている。

「て、手錠を……」

なんとか力づくでこの状況を変えなければ。焦りの末に、葉子は思い留まる。

(隆志さん……この女が崩れていく姿を、顔を、最後まで見たいはず)

キスの間もペニスを大きくしていた隆志は、その屹立を未だ保持している。

「あっ、あぁぁぅ、い、イクぅぅぅ」

己の白い女指でクリトリスを激しく弄り、独りで絶頂の痙攣に到達する。『あなたたちの好き勝手にはさせない』とばかりに孤高の意志を窮めたのだ。

同時に、その隙が葉子にとってチャンスになる。

「見ていてね、隆志さん」

はしたなく開脚を晒したまま余韻に浸る美由紀に覆い被さると、葉子はマッサージベッドの調整部分を操作し、リクライニングを解除した。凭れていた美由紀の背がガタンと崩れ、仰向けの蛙みたいに無様な体勢を晒す。

身を起こそうともがく美由紀を押さえつけ、葉子は手錠をかけ直す。ついでに目隠しも追加し、主導権を奪取した。

(これから、本当の恥をたっぷり味わいなさいね……)

      *     *     *

「隆志さん、これ覚えてる?」

妖しく微笑む葉子にそれを見せられ、隆志は目を泳がせた。

(そ、それ……あの引き出しにあったヤツだろ。持ってくるなよ、そんなモノ……)

フィルム包装された長モノを隆志は数日前に目撃していた。

いつもの仮眠室で葉子との性儀を終えたあと、ティッシュが欲しくてベッド側の引き出しを開けたときのこと。

『なんだこれ。葉子が買ったの?』

『知らないわ。な……何の道具かしら……』

得体の知れない長モノを手に、ふたりで顔を見合せた。

パッケージは未開封で新品のようだ。表側には商品名のラベルがある。

《アナルスネーク・ロングタイプ》
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