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裏切りの幼なじみ
第9章 初心な美人女医
慌てて閉められたドアに駆け寄り、鍵をかける。

(もしかして、あの子なの? 予定より一時間も早いわ……どうしよう)

やむなく破けたスカートを履き直し、白衣を羽織る。ヒップはひとまず白衣で隠れる。これでやり過ごそうと覚悟を決めた。

「どうぞ……」

迎え入れようとドアを開けたが、いない。来るのが早過ぎたと悟って外に出たのだろうか。通路の風の涼しさで、診察室の空気が澱んでいたことに気付く。

己の身に、まもなく新しい風が吹き込む……。そんな予感に由梨の女肌は、さわゎ……と産毛を逆立てていた。

      *     *     *

「さすがに来るのが早過ぎたか……」

診察室をノックして入ろうとしたら怒られてしまった。一旦トイレに寄り、どこかで時間をつぶそうかと考えながら戻ると、診察室のドアが開け放たれている。

(もう入ってもいい、ってことだよな……)

一応「失礼します」と声掛けしてから、入室する。甘い香りはまるで女性のプライベートルームのようだ。

(女医さんだと聞いていたけど、さっきの人かな。ずいぶん若くて可愛い女の子に見えたけど……)

立ち尽くしていると、奥からスレンダーな女医が現れた。キュートという表現が似合う抜群の美貌と脚線美。心なしかさっきよりメイクが濃い目に感じられる。

「あの……俺、紹介されて来ただけで、まだやるって決めたわけじゃ……」

「も、もちろんよ。最初はカウンセリングから……あなたのモノがどんな状態か知りたいし……べ、別にヘンな意味じゃなくて、医師としてってことよ」

なんだか分からないが、赤面し、内股をもじもじさせる黒髪ショートボブの女医さん。誤魔化すようにデスク上のPCを操作している。

(恥ずかしいのは俺のほうだよ。こ、こんな可愛い顔の女性に、これから見られるんだよな……アレを)

奈津子の部屋に転がり込んで一週間が経った頃、事後のベッドで囁かれた。

『隆志くんには、もの凄いポテンシャルを感じるのよ……』

性的な潜在能力。ちょっとした仕掛けで爆発的な威力を発揮できるはずだと、奈津子は妙な話を持ちかけてきたのだ。

男性器増大整形……。

亡くなった奈津子の夫は医師だったそうで、生前に世話した女医に頼めば特別待遇で施術を受けられるという。
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