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第5章 第５話

「お前もホンマに運（マン）が悪いやっちゃなぁ～カノジョとイチャイチャしている時に交通事故を起こしてしまった…おまけに無免許だと言うことで…この先どないすんねんなぁ？」
「ああ…先輩…オレ…今治へ戻りたくないねん…海外へ逃げてーよ…せや…オレ…日本と国交を持ってへん国へ逃げてーよ…日本にもいたくないねん…」
「お前、北朝鮮へ逃げたいのか？」
「どこでもえかろが…先輩…どーにかしてくれよ…頼むこの通りでんがな…」
「しょーがねーヤローだな…(ブツブツ)…」

ひでとの小学校時代の先輩は、ブツブツと言いながらのみかけのジンロマッコリをのみほしてからひでとに言いました。

「オレの知人の知人に、お前みたいに海外へ逃げてーよと言うやつを世話してくださる人がおるぞ。」
「えっ？ホンマなん？」
「ああ、ホンマの話だ。」
「どこにいるのだよ？」
「宇和島…宇和島にいるよ。」
「宇和島にいるのかよ。」
「オレの知人は、宇和島市内でボクシングのジムを経営しているのだよ…バンタム級のチャンピオンで引退後はジム経営をしながら若手の育成につとめているよ。」
「その知人って？」
「決まってんだろ…ヤクザのナンバーツーの男なんだよ…そこの組はな…ナホトカのマフィアとつながってんだよ。」
「マフィア…」
「そうだよ。」
「なあ、頼みがあるんだ!!先輩の知人にお願いしてくれよ…ほんで、ナントカの…」
「ナントカじゃなくてナホトカ!!お前なあ、ちとは落ち着けよ!!何とかしてやるから心配すんな!!その前に焼き肉喰えよ!!」