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第1章 第１話

「あやねちゃん。」
「なあに？」
「あやねちゃん…どう？高校生活は？」
「うん、楽しいよ。」
「そう…よかったわね。」
「あのね…仲良しの(Ａ子ちゃん)ちゃんと同じクラスなのよ。」
「あら、よかったわねぇ…あと、彼とはどう？」
「ひでとくん…順調よ。」
「そう…よかったわねぇ…あやみは高校生活と恋が順調で…」

この時、端で聞いていましたあかねがブゼンとした表情で四角いカバンを持ってプイと背中を向けて家から出て行きました。

「あかねちゃん…あかねちゃんどうしたのよ…ねえ…」

あやみは、どうしたのかなぁと言う表情であかねを見つめていましたが、なおとの母親があやみに怒鳴りつけていました。

「あやみさん…あかねはクラス替えで気持ちがギスギスとしているのよ…あんまりからかわないでちょうだい!!」
「義母さま…」
「あんたね!!この頃言葉づかいが悪いわよ!!なんなのかしら一体…どうしてこなな器量の悪い嫁を取ったりしたのかしら!!サイアクだわ!!」

なおとの母親は、ブツブツと言いながら席を立って行きました。

あやねは、つらそうな声であやみに言いました。

「おばあちゃん…どうして怒ったのかな…おばあちゃんこわい…」
「ああ…気にすることはないのよ…クラス替えは来年もあるのよ…一年はあっという間だから…おかしいねぇ…クラス替えでギスギスしているあかねおねーちゃんおかしいねぇ。」

あやのは、あやみの言葉に反応して『あかねおねーちゃんおかしい』と繰り返して連呼しながら嗤っていました。

そして、同じく新学期を迎えたひろひこが幼稚園へ行くことをためらっていたので、あやみはひろひこに対して早く準備するようにせかしていました。