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第8章 チャプター08

「あ、あ、れ、玲二さん。そこは……」
「麗君。ここも、感じるのだろう」
「そう……ですけどッ。感じすぎちゃって、駄目ですぅ」
「感じすぎるってことはないだろう」
「そんな、すぐ、逝ってしまいます」
　麗は首を横に振った。指の愛撫から逃れようと、上体を起こした。
「さっき、逝ったのだろう。一度、逝くのと二度、逝くのと、変わりないだろう」
「そッ、そんなこと――ないです。逝ってしまうと、か、感じすぎてしまって、躯がもちません」
　玲二が、麗の後ろ手を取った。手綱のように麗の両の手首を握り、腰と腰をぶつけるように、グラインドさせた。
「ああ、そんな、も、もう――」
「もう、どうなんだ」
　麗はそれに答えず、首を横に振った。
　玲二のペニスの先端が、抽送（ちゅうそう）をくり返す度に膣の奥に当たると、痺れるような快感が走った。先程の絶頂などと比較できないような強烈な快感が思考力を奪い去っていく。
「ああッ、あ、あ、あフンーーだ、ダメ、もうダメ、ダメになっちゃうから、あぁ……」
　喘ぎ声を堪えることができず、玲二から与えられる悦楽を貪るように腰を振りながら、麗は髪を振り乱した。ペニスを突き上げられる度に襲いかかる快感に、声を抑えることはできなかった。
「さ、智さん、あぁ、さっ、智さん、もう……逝っちゃう、ごめんなさい、気持ちよすぎて、あ、あたし、もう、逝っちゃいますぅ」
「そんなに、いいのか。おれのちんぽは」
「はいッ」
　いつもなら、否定するところだが、くり返し、くり返し、性の悦びの波にさらされているため、深く考えることなく、言葉が洩れた。
「いい、いいです。玲二さんのちんぽ、あ、あたしの奥まで届いて、いいです」
「旦那のちんぽよりもか」
　悪魔の言葉を、玲二は囁いた。
　言ってはいけない、それを言ってしまっては、もう戻ることはできない――もうひとりの麗が心のどこかから囁いていたが、彼女の肉体は玲二の囁きに抗することはできなかった。
「いい、いいです。あの人よりも奥まで届いて、すぐにでも、逝ってしまいそうです」
「どこが、智君のちんぽと違うんだ」
「硬くて、ごつごつとしていて、あ、あぁっ、私のおまんこの、あちこちの、き、気持ちいいところに当たるし、な、膣内をきついくらい、満たしてくれて、と、とっても、いいです」