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抱けない彼を妄想で抱く
第3章 眠る彼の横で自慰、それからセックス
彼が腕をまわしながら耳元でささやく。
心臓がどくんと跳ね上がる。
彼の方を見る間もなく、手が胸へと伸びてきて、優しくわしづかんだ。
「あ…っ」
言葉が出てこない。一瞬止まりそうになった息をのむ。
身体が彼の重さで少し前に倒れる。
濡れそぼったそこに彼は手をやり、どれほど出来上がっているのかを確認しようとする。
身を固くして快楽に備えたが、彼の指が触れただけであっけなく身体は支配され、頭の中がモヤで包まれる。
「んん…っ」
「すっごい濡れてるよ」
ぬめりを指先ですくいとり、わたしの目の前でその指を見せつけた。
彼の指先はぬらぬらと光っていた。
わたしは恥ずかしさと興奮でそれを直視することができず、照れ笑いをして顔をそむける。
彼はそれでも
「ほら」
といってわたしに見せつけてくる。
「いつから起きてたの」
横目でチラリと彼の指先を見ながら聞く。
「荒い息が聞こえて起きちゃった」
彼の身体を使って気持ちよくなろうとしていたことは知られていないようだった。
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