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抱けない彼を妄想で抱く
第1章 いつもの
彼のものの先端がぷっくりと膨らんできたころ、フェラチオをやめます。
すると彼はわたしの背中にまわり、抱きかかえるような姿勢をとって、わたしの脚を広げようとしてきました。
「ま、まって」
明るい室内は緊張します。
でもそんなこともお構いなく、わたしのそこは濡れている感覚がありました。
彼が内腿に指を這わせてきます。
「んん…っ」
これから来るであろう快楽に怖さを感じます。
あの快楽を知ってしまったら、帰り道にひとりになることすら悲しいのです。
人が個であることを認めたくなくなるのです。
そんなことを考えていても、彼の指はゆっくりと移動してきて、ついには、わたしがフェラチオでどれだけ興奮していたかを知りえます。
怖くて彼の腕にしがみつきます。
気持ちいい、こわい、気持ちいい。
彼の細い指が、その細い指1本で、わたしの身体を支配します。
行き場のないエネルギーが身体の奥から湧きあがります。
声になって、表情になって、熱になって、脚の震えになって。
わたしは彼に自分の状態を伝えます。
どれだけ気持ちいいのか、彼になんとしても知ってほしい。
貴方の存在がどれほどわたしの魂を震えさせているのか。
ただひたすら、気持ちいいと言いました。
それ以外の言葉を忘れてしまいました。
快楽のすきまで彼のものに触れると、フェラチオしたときよりも固くなったものがありました。
その事実にわたしはまた興奮してしまうのです。
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