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恋がしたいと言いながら
第9章 バル
 近くのバルで亜実とビールを飲みながら待っていると、すぐに真由ちゃんがやって来た。
 酒樽を模した小さなテーブルを囲み、改めて三人で乾杯する。
「お疲れさまー」
「お疲れー。加奈、今日はありがとうね」
 さっき買い物した包みを指して、真由ちゃんが言った。
「加奈、あそこで買い物するの初めてじゃない?人を変えるね、恋は」
 亜実がしみじみと頷く。
「そんなにいい男なの、彼?」
「もちろん。かっこいいし、やさしいし、めちゃめちゃいい男だよ」
 自信満々にそう言うと、ふたりは怪訝な顔を見合わせてから私に向いた。
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