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恋がしたいと言いながら
第9章 バル
「でもさ、大丈夫なの?その子」
「大丈夫って?」
「加奈、合鍵まで渡してるんでしょ?ちゃんと付き合ってるわけでもないのに。まさか入り浸られたりしてないよね?」
「優也くんはそんなことしないよ。大体、向こうも一人暮らしだし」
真由ちゃんの質問にそう答えると、亜実はきゅっと眉をひそめた。
「でも家、知らないんでしょ?仕事だって大手勤めだから忙しいっていうけど、よく聞いたら派遣で大手を転々としてるだけだったじゃん」
「大手勤めには違いないよ。それに派遣だって部屋は借りられるよ」
「それはわかるよ。私も派遣で仕事コロコロ変えるけど、部屋も借りてるし生活もできてる」
そこで亜実は言葉を切って、少し言いにくそうに続けた。
「だから人に仕事のこと聞かれたらちゃんと派遣だって説明するし、いくら忙しい職場に派遣されても人と会う約束くらいは普通にできるよ」
そこまで言って亜実はビールを飲み、ふっと息をついた。
「心配なんだよ。余計なお世話かもしれないけど。あのとき、声かけちゃえ!って言ったの私だし」
確かに優也くんと初めて会ったとき、一緒に声をかけに行ってくれたのは亜実だ。
でもその後の彼との関係は、私が望んで進めてきた。
よくわからないことに責任を感じているんだなぁと思いながら、私はグラスを握る亜実の手元をぼんやり眺めていた。
「大丈夫って?」
「加奈、合鍵まで渡してるんでしょ?ちゃんと付き合ってるわけでもないのに。まさか入り浸られたりしてないよね?」
「優也くんはそんなことしないよ。大体、向こうも一人暮らしだし」
真由ちゃんの質問にそう答えると、亜実はきゅっと眉をひそめた。
「でも家、知らないんでしょ?仕事だって大手勤めだから忙しいっていうけど、よく聞いたら派遣で大手を転々としてるだけだったじゃん」
「大手勤めには違いないよ。それに派遣だって部屋は借りられるよ」
「それはわかるよ。私も派遣で仕事コロコロ変えるけど、部屋も借りてるし生活もできてる」
そこで亜実は言葉を切って、少し言いにくそうに続けた。
「だから人に仕事のこと聞かれたらちゃんと派遣だって説明するし、いくら忙しい職場に派遣されても人と会う約束くらいは普通にできるよ」
そこまで言って亜実はビールを飲み、ふっと息をついた。
「心配なんだよ。余計なお世話かもしれないけど。あのとき、声かけちゃえ!って言ったの私だし」
確かに優也くんと初めて会ったとき、一緒に声をかけに行ってくれたのは亜実だ。
でもその後の彼との関係は、私が望んで進めてきた。
よくわからないことに責任を感じているんだなぁと思いながら、私はグラスを握る亜実の手元をぼんやり眺めていた。