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恋がしたいと言いながら
第10章 嫌な女
「はい?」
きょとんとしていると、土井さんは額に手を当て大袈裟に溜め息を吐く。
「毎度毎度あんな馬鹿丁寧に教えなくていいって言ってるの。あの子、あなたが何でもやってくれると思ってぜんぜん仕事を覚えないじゃない」
「はぁ……」
「本人にも言ったのよ。人を頼ってばかりいないでいい加減ひとりで仕事できるようになりなさいって。でないと将来的にあの子が困ることになるのよ」
ひとみちゃんがなぜ仕事を覚えないのかはひとみちゃんにしかわからないし、将来的に困ることになってもそれは自業自得で、本来、私たちの知ったことではないはずだが、土井さんは鼻息荒くまくし立てる。
そんな彼女を見下ろしながら、私は熟れすぎて弾けたトマトを思い浮かべた。
きょとんとしていると、土井さんは額に手を当て大袈裟に溜め息を吐く。
「毎度毎度あんな馬鹿丁寧に教えなくていいって言ってるの。あの子、あなたが何でもやってくれると思ってぜんぜん仕事を覚えないじゃない」
「はぁ……」
「本人にも言ったのよ。人を頼ってばかりいないでいい加減ひとりで仕事できるようになりなさいって。でないと将来的にあの子が困ることになるのよ」
ひとみちゃんがなぜ仕事を覚えないのかはひとみちゃんにしかわからないし、将来的に困ることになってもそれは自業自得で、本来、私たちの知ったことではないはずだが、土井さんは鼻息荒くまくし立てる。
そんな彼女を見下ろしながら、私は熟れすぎて弾けたトマトを思い浮かべた。