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恋がしたいと言いながら
第10章 嫌な女
 食べ頃を逃し形は崩れ、ズルズルにただれた皮の隙間から、濁った色の中身が滴り落ちる。
 通りすがる人はそれを見て顔をしかめ、腐りかけたトマトの喚くことなんて聞きもせず行ってしまう。
「私の言ってること、わかるでしょう?」
 私はしおらしく「気をつけます」と答えてみせた。
 それで満足したらしく、土井さんはトートバッグを手にトイレのほうへ歩いていった。
 あの中にはスマホやメイク道具なんかも入っているだろうから、早くても20分は戻って来ないだろう。
 私はさっさとデスクに戻り、まだ唸っているひとみちゃんを助けてあげた。
 静かになってくれるならこれくらいのこと、いくらでもする。
 ふと私の中にも濁った色の、汚ならしい中身が詰まっているような気がした。
 それはまだ瑞々しい皮に隠されているけれど、やがてドロドロと溢れ出してくる。
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